子宮頸がんワクチンとは

子宮頸がんを予防するためのワクチンは、主に3種類あります。そのうち2種類のワクチン(サーバリックス、ガーダシル)は定期予防接種で使用されるワクチンとなります。ちなみに、このワクチン接種の対象となるのは、小学校6年生~高校1年生相当の年齢にある女性で、この場合の接種費用は無料となります。
WHOは、15歳までに90%以上の女子が接種することを目標としています(規定の回数を打ち終わる前に接種を中断した方や、無料接種の機会を逃した世代の方については、今後議論がおこなわれる見通しです)。

子宮頸がんワクチンとは

サーバリックス

同ワクチンは、子宮頸がんの原因であるHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染予防に効果があるとされています。ひとくちにHPVといっても、その種類は100以上あります。そのうち子宮頸がんを起こしやすいとされているのが16・18型で、この2つの型からの感染を防ぐことで、子宮頸がんの原因となるものを50~70%予防できるといわれています。なお、この16・18型の2つのHPVを予防するのがサーバリックス(2価ワクチン)です。

ガーダシル

16・18型のほか、尖圭コンジローマの発症原因とされる6・11型のHPVを予防するのがガーダシル(4価ワクチン)です。定期接種を希望する際はどちらかを選択します。スウェーデンでは、10~16歳で接種を済ませた人の子宮頸がん(浸潤がん)発症率が88%減少したことが分かってきました。これをふまえて、日本でも8年ぶりに子宮頸がんワクチンの”積極推奨”を再開することが決まっています。このほか定期接種の対象外ではありますが、9種類の型のHPV(6・11・16・18・31・33・45・52・58)を予防するシルガード9というワクチンもあります。こちらは全額自己負担となります(計3回の接種が必要です)。

ワクチンの接種回数

サーバリックスもガーダシルも計3回の接種となります。ただ1回目にサーバリックスの接種を受けたら3回目まで同じサーバリックスのワクチンを接種し続ける必要があります。また接種スケジュールに関して、サーバリックスは1回目の接種から1ヵ月以上経過後に2回目を、1回目の接種から6ヵ月以上経過後に3回目を接種します。ガーダシルについては、1回目の接種を終えた日から2ヵ月の間隔を空けて2回目を、1回目の接種から半年の間隔を空けて3回目を接種します。また、新型コロナウイルスワクチンやインフルエンザワクチン接種後は、2週間以上間隔を空ける必要があります。

副反応について

HPVワクチンを接種後、多くの方に副反応がみられます。具体的には、接種部位の発赤、痛み、腫れといったもので、これらは数日程度で治まります。ただ、まれに重度のアレルギー症状(アナフィラキシー)、神経系の症状(ギラン・バレー症候群)がみられることがあります。接種によって重い健康被害が起きた場合は、救済制度があります。何らかの症状がみられた場合は、川崎市であれば健康福祉局保健所予防接種担当までご連絡ください。

川崎市の「HPVワクチンの予防接種について」はこちら